第8回気象庁数値モデル研究会(終了しました)

目的:

数値予報システムの精度向上のためには、数値予報の結果を様々な観測データと比較し、 その観測との違いを検証することで、数値予報システムの問題点を明らかとすることが必要不可欠である。 数値予報結果の検証に用いる観測データとして、従来は気温や風などの直接観測データを用いることが多かったが、 近年は衛星観測データを用いることが増えてきている。 この主な理由として、衛星観測では、全球的に均質なデータが得られるという利点が挙げられる。 ただし、衛星観測では予報変数である地球物理量が直接得られるわけではない。 このため数値予報結果と衛星観測とを比較するためには、数値予報結果を用いたシミュレーションを行う必要がある。

気象庁の数値予報システムでは、晴天域における放射輝度温度やGNSS掩蔽観測で得られる大気屈折角を常時シミュレートして、 データ同化に活用している。また、これらのデータをデータ同化に用いるばかりでなく、 モデル予報値の検証に用いる取り組みも始まってきている一方、気候モデル向けに開発された雲観測衛星シミュレータ統合パッケージCOSPや、 東京大学やJAXAが中心に開発に取り組んでいるJoint Simulatorを数値予報システムの検証に用いる動きもある。

本会合ではこれに関する国内の動向について確認し、今後の数値予報結果の検証の高度化につなげていきたい。

プログラム:

挨 拶(13:30--13:40)
横手 嘉二(気象庁総務部)
1(13:40--14:10).数値モデルと衛星シミュレータによる連携研究(講演資料、約3MB)佐藤 正樹(東京大学 大気海洋研究所)
2(14:10--14:40).衛星データシミュレータが拓く可能性と課題(講演資料、約2MB)増永 浩彦(名古屋大学 地球水循環研究センター)
3(14:40--15:10).衛星データと衛星シミュレータSDSUにより示された雲解像モデルCReSSにおける雲氷の数濃度に関する問題点(講演資料、約2MB)篠田 太郎(名古屋大学 地球水循環研究センター)
4(15:10--15:40).衛星データシミュレータJoint-Simulator を用いた気象庁メソモデル・局地モデルの雲の検証(講演資料、約2MB)原旅人(気象庁予報部数値予報課)
討 論 (15:40--15:50)
休 憩 (15:50--16:05)
5(16:05--16:30).衛星観測シミュレータCOSPを用いた気象研気候モデルMRI-CGCM3の雲の検証(講演資料、約3MB)神代 剛(気象研究所 気候研究部)
6(16:30--16:55).高速放射伝達モデルRTTOVを使った衛星観測データの同化(講演資料、約1.5MB)岡垣 晶(気象庁 予報部 数値予報課)
7(16:55--17:20).気象衛星ひまわりの品質評価における衛星シミュレータの利用(講演資料、約1MB)村田 英彦(気象衛星センター データ処理部)
討 論 (17:20--17:30)
総合司会
佐藤 芳昭(気象庁予報部数値予報課)