数値予報研究開発プラットフォーム(気象庁)

第16回気象庁数値モデル研究会

内容:

気象庁では、「2030年に向けた数値予報技術開発重点計画」で示した「豪雨防災」への貢献を目的とした数値予報システムの開発を進め、また、「線状降水帯予測スーパーコンピュータ」及びスーパーコンピュータ「富岳」も活用した技術開発の加速化も進めてきました。これらの取り組みの大きな節目として、令和7年度末には、局地モデル(LFM)の高解像度化(2km->1km)及び局地アンサンブル予報システム(LEPS)の運用開始を計画しています。LFM及びLEPSは「対流許容」(Convection permitting)と呼ばれる解像度であり、対流による鉛直輸送の一部を解像しつつも一部をパラメタリゼーションで補う必要がある等、モデリング上の困難さがあります。そのため、単純に高解像度化すれば自動的に予測精度向上が得られるわけでなく、高解像度モデルに応じた物理過程の改良も必要です。LEPSにおいては線状降水帯のようなメソ対流系の予測の不確実性を捉えるための摂動のあり方を意識しながら開発を進めてきました。今回の研究会では、気象庁からLFM及びLEPSの開発やその成果、今後の展望について、大学や研究機関からメソ対流系のモデリングや予測可能性に関する研究成果を紹介するとともに、今後のメソ対流系の予測精度向上に向けた学官連携について議論したいと考えています。多くの方々のご参加と活発なご議論をお願いいたします。

プログラム:

0(13:30--13:35)
開会挨拶
佐藤芳昭(気象庁総務部)
1(13:35--13:45)
趣旨説明
田中泰宙(気象庁情報基盤部数値予報課)
2 (13:45--14:45) 気象庁の領域数値予報システム高度化とその成果
2.1(13:45--14:15)「局地モデル高解像度化開発の成果と課題」 沢田雅洋(気象庁情報基盤部数値予報課)
2.2(14:15--14:45)「局地アンサンブル予報システム開発の成果と課題」 河野耕平(気象庁情報基盤部数値予報課)
休 憩 (14:45--14:55)
3 (14:55--15:55) 線状降水帯予測精度向上に向けた最新研究
3.1(14:55--15:25)「ラージ・エディ・シミュレーションを用いた対流系と境界層の乱流過程の研究」 伊藤純至(東北大学大学院理学研究科)
3.2(15:25--15:55)「領域アンサンブルデータ同化を用いたメソ対流系の予測可能性に関する研究」 南出将志(東京大学大学院工学系研究科)
休 憩 (15:55--16:05)
総合討論 (16:05--16:30)