第10回気象庁数値モデル研究会・第47回メソ気象研究会

内容:

メソ気象の事例解析では、不十分な観測データを補完するためには数値モデルによるシミュレーションが欠かせません。 特に積雲対流にともなう降水事例の解析においては、数値モデルにおける積乱雲そのものやその効果の表現が非常に重要です。 積乱雲そのものの表現については、雲・降水粒子の盛衰の過程を扱う雲微物理スキームが数値モデルに導入され、水平解像度が100~500mになれば可能と言われていますが、積雲対流の特性を支配する様々なスケールの現象を全て表現可能かどうかや、雲微物理スキームや解像度の依存性など、幾つかの検討すべき課題があります。

一方、個々の積乱雲を表現できない、概ね5km以上の水平解像度の数値モデルでは、積雲対流の効果をパラメタライズしたスキーム(積雲対流スキーム)が用いられています。 気候モデルや季節予報モデルはもとより、気象庁で短期・中期予報用に現業運用されている全球モデルやメソモデルにおいても積雲対流スキームが用いられており、予測精度への影響が大きいことからその改良や高度化は重要な開発課題の一つとなっています。 積雲対流の特性を支配する様々な現象の効果を適切に表現するためには、積雲対流に関する様々な知見を基にそれらを適切にモデル化するための取り組みが必要です。

今回は、気象庁数値モデル研究会とメソ気象研究会の共催で、高解像度数値モデルにおける積乱雲や降水の振る舞いに加えて、積雲対流のパラメタリゼーションに対する取り組みについて講演を行っていただくことになりました。これらの講演を通して、積乱雲やその効果の表現に関する双方の現状と課題を共有し、それぞれの知見をどのようにして互いの課題解決に活かしていくべきかを議論したいと考えております。

観測による知見をお持ちの方も含めて、多くの方々のご参加と活発な議論をお願いいたします。

プログラム:

0(13:30--13:40)
挨 拶
海老原智(気象庁総務部)
趣旨説明
加藤輝之(気象研究所(現、気象庁観測部観測システム運用室)
座長:永戸久喜(気象庁予報部数値予報課)
1(13:40--14:10).「対流活動における大気成層の構造変化・上昇流に対する数値モデルの水平解像度の影響」加藤輝之(気象研究所(現、気象庁観測部観測システム運用室))
2(14:10--14:40).「積雲対流の発達と環境の安定度・水蒸気量との関係」竹見哲也(京都大学防災研究所)
3(14:40--15:10).「超高解像度全球雲解像実験からわかる対流の統計的性質」富田浩文(理化学研究所計算科学研究機構)
休 憩 (15:10--15:30)
座長:加藤輝之(気象研究所(現、気象庁観測部観測システム運用室))
5(15:30--16:10).「積雲対流パラメタリゼーションの概要と気象庁現業メソモデルの積雲対流スキーム」松林健吾(気象庁予報部数値予報課)
6(16:10--16:35).「気象庁現業全球モデルの積雲対流スキーム」 氏家将志(気象庁予報部数値予報課)
7(16:35--17:00).「気象研究所地球システムモデルの積雲対流スキーム」吉村裕正(気象研究所)
総合討論 (17:00--17:30)